動静が気になっていた人のニュースが最近、新聞やテレビで伝えられるようになった。水泳の北島康介選手である
昨年8月の北京五輪の平泳ぎで2大会連続2冠の偉業を達成した後、競技生活を離れていた。今夏から練習を再開。先日、米国と東京で開かれた大会でレース復帰した
両大会とも記録は平凡だったが、まずまずの泳ぎだった。注目される次回のロンドン五輪出場については「まだ見えない」と目標に定めていないようだ
世界的なスイマーになった北島選手のコーチを務めた平井伯昌さんが、著書「見抜く力」(幻冬舎新書)で二人三脚の足跡を記している。中学時代の北島選手は、体が硬くセンスもあまり感じさせず、水泳に向いているとは思えなかったと振り返る
ただ、練習では強くないが吸収力はあり、試合になると急に目つきが変わり、すごい集中力を発揮するタイプだったそうだ。平井さんはその特性を見抜き、心技体のバランスを取りながら金メダルを目指したという
徐々に力をつける北島選手に対し、成功体験を捨てることの大切さを教え込んだと強調する。喜びは勝った瞬間に捨て去らないと、その日がピークになってしまうからだ。常勝の理由を知る思いがする。再び集中力を強め、ロンドンの高みに立ってもらいたい。